Start up Member:
右:福澤眞紀子(AMIエレメンタリーディプロマ取得 FCISM:ベルガモ 2005年)
中央:白川慶(AMIエレメンタリーディプロマ取得 MNW:ポートランド 2018年)
左:あべようこ(AMIエレメンタリーディプロマ取得 MISD:サンディエゴ 2020年)
「エレメンタリー・ガイドの輪」創設にあたって
この度は「モンテッソーリ・エレメンタリー・ガイドの輪」に関心をお寄せくださり、ありがとうございます。この輪は、エレメンタリー・ディプロマを既にもっている方を対象とした、参加者皆さまが主役となる会です。
私たちスタートアップメンバーは、常々「エレメンタリー・ディプロマを取ったけれど、働く場所はどうしよう。」「英語でのトレーニングだったから、今度は日本語に翻訳さないといけない。」「教材づくりが進まない。」といった課題に向き合ってきました。
そして、現在の日本の制度上、毎日活動できるエレメンタリープログラムが難しいという現状はもとより、数百ある提供の翻訳、コマンドカードや年表、その他カード作り、正しい情報の検索といった数多くのものを、ひとり孤独に、取り組まなけれはならない状態を打開するにはどうしたら良いか考えてきました。
独りで考えても答えが出なかったり、とても時間がかかったりということもありますし、長期間孤独に取り組むことに大きな喜びを見出すことは困難です。作った教材を子どもたちに提供してみたけれど、イマイチだったから作り直し。。。ということも、きっとあるでしょう。
逆に、こんな教材を作ってみたら、子どもたちが喜んで繰り返している、こう言ってみたらしっかり伝わったなどの喜びもあるでしょう。エレメンタリーガイドの輪は、それらをシェアし、日本中のエレメンタリーガイドがつながれる場をつくるべく、創設されました。
ですから、この輪では、参加する皆さんが疑問や情報の発信者であり、共に考えていく主役なのです。
円を紹介するときに、三角形から十角形までの多角形を見ていきます。すると、辺の数が増えるにしたがって、その形がだんだんと円に近づくことに気がつきます。
そして、”When we have a polygon with an infinite number of sides, it would be a circle.”
(数えきれないほどたくさんの辺をもつ多角形があったとしたら、円になるね。)というように、円を定義しますね。
エレメンタリーガイドの輪は、3人から始まっていますので、現在のところ三角形です。点や線では形を造ることはできませんが、三角形からは図形になります。そして皆さまにご参加いただくことで、三角形から徐々に円に近づくことができるのです。この輪は、私たちエレメンタリーガイドが孤独ではなく、何かしらの形でつながりあう仲間がいることの象徴とも言えるでしょう。
An infinite number of elementary guides get together and make a circle, which is a special kind of polygon. (たくさんのエレメンタリーガイドが集まって、手を取り合うと、特別な多角形である円になる。)
エレメンタリーのクラスでは、”big work”(大きな仕事)や ”human collaboration”(仲間との協力)といった言葉がよく使われます。児童期は、一人では困難なことも協力しあうことによって、成し遂げられると学ぶことができる特別な時期です。そんな子どもたちに携わる私たちエレメンタリーガイドができることは、大きなことを成し遂げるために、手を取り合う場を一緒につくることではないでしょうか。
この輪が大きく広がって、未だ黎明期にある日本のモンテッソーリエレメンタリー教育が将来にむけて発展し、皆さまの活動が豊かになりますよう、願いをこめて。
2020年8月
スタートアップメンバー